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【My Favorite Sendak】4冊目は "Nutshell Library"。

Nutshell Library (Caldecott Collection)Nutshell Library (Caldecott Collection)
(1962/10/10)
Maurice Sendak


小さい豆本4冊が、箱の中に収められています。ほんとに手のひらにすっぽり入ってしまうほどちいちゃくて可愛いー!

しかも箱が実に頑丈で、まさに硬い "nutshell" のよう。箱の絵にも nutshell が描かれています。

この Library に収められているのは、以下の4冊。

 Alligators All Around (An Alphabet)
 Chicken Soup with Rice (A Book of Months)
 One Was Johnny (A Counting Book)
 Pierre (A Cautionary Tale)

本の中身もそれぞれおもしろいけれど、それはまた別においといて。

もう~~~とにかく!このボックスセットは、装丁が素晴らしい!!この愛らしいサイズだからこそ、いつでも手元においておきたくなります。

まず箱をためつすがめつ、背表紙や上面の絵まで眺め、しっかりした作りと手触りを確かめ、1冊取り出してみる。大人の手には小さすぎてページをめくるのに気を使うけれど、そっと開いて絵に親しみ、リズミカルな言葉を楽しむ。

本のカバーをはずしてみると、カバーとは趣の異なる赤い表紙が現れ、そこにも nutshell の絵が。絵本のこういう装丁、好きだなぁ~。

本を傷めないよう大事に大事に読んで、この宝箱の中に戻すまでが至福の時間。

何もかもひっくるめて愛でたい本なのです。

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2012.06.02 / Top↑
【My Favorite Sendak】3冊目は、"I'll Be You and You Be Me" です。

I'll Be You and You Be MeI'll Be You and You Be Me
(2001/05/22)
Ruth Krauss


これも Ruth Krauss の作品に Maurice Sendak が絵を描いたもので、私にとってこの絵本は、"A Hole is to Dig" とセットなのです。

画風も同じで、子どもたちの様子がそれはそれは、ちまちまと愛くるしいんです!表紙を見ただけでも「可愛い~!」と叫びたくなりませんか?ベスト5に "A Hole is to Dig" とどちらを入れようか迷うほどです。

物語ではなく、Ruth Krauss が純真な子どもの世界を詩、散文にしたものです。

友達大好き!という気持ちだったり、豊かなイマジネーションの世界だったり、ほほえましく遊ぶ様子だったり。なんの束縛もない子どもたちの天真爛漫なこと!

大人が忘れてしまった大切な時代を、Ruth Krauss は、シンプルだけど心に響く言葉で紡ぎだしてくれるのです。

そして Sendak は、Ruth Krauss のテキストをさらに幾重にも描き、その世界を広げ、絵でたっぷりと語ってくれます。

モノクロの線描画ですが、子どもたちとともに風景が描かれている分、"A Hole is to Dig" より大きな広がりを感じさせて気持ちいい。

こうして書いてみると、私の貧相な文章力ではこの作品の良さが伝わらないのがもどかしい~~!是非手にとってごらんください!

2012.05.16 / Top↑
【My Favorite Sendak】2冊目は、"A Hole is to Dig: A First Book of First Definitions"。Ruth Krauss の文に Maurice Sendak がイラストを描いています。

A Hole Is to DigA Hole is to Dig
(1952/09/03)
Ruth Krauss


邦訳は『あなはほるもの おっこちるとこ』(わたなげしげお訳 岩波書店)。この邦題もリズムがよくて絶妙です。

私が子どもの頃住んでいた家の前に、ただっ広い空き地がありました。囲いもない原っぱだったので、近所の子どもたちは公園のように遊び放題。ある日誰が言い出したか、そこに「落とし穴」を作ろう!ということになったのです。

掘った、掘った!それはもうがんばりましたよ。子どものこととて落とし穴とまではいきませんでしたが、すり鉢状の大きな穴ができあがりました。

そのときの私たちにとっては、「掘る」ことだけが目的。ひたすら掘るのが楽しかった!誰かを落としてやろうなんて考えてたわけじゃなかった。まさに「あなはほるもの」だったわけです。

この絵本は、副題に"A First Book of First Definitions"とあるように、子どもたちの『ことばの定義集』なのです。

生まれて数年の彼らにとって、ことばの一つ一つは、大人とは意味が違うのが当たり前。知識が入ってくる前の子どもは、ただただ感性だけで生きてますよね。

そんな子どもたちにとって、「顔」とは、「手」とは、何かと言えば・・・

"A face is so you can make faces"
"Hands are to hold"
"A hand is to hold up when you want your turn"

だし、「お城」とは・・・

"A castle is to build in the sand"

なのです。

子どもって、すばらしく発想が自由で心が豊か!どのことばをとっても楽しくて、くすっと笑えて、中にはくーーーっと胸にくるものもあるのです。

そしてセンダックの絵がね、柔らかくまるっこい描線でとっても可愛いのです。本自体小型ですが、絵もちまちまと愛くるしい。子どもたちの無邪気で生き生きしていることといったら!

表紙と見返しだけが淡いグリーン。中は少し黄味がかった紙にモノクロの絵、茶色のテキストで実にシンプル。郷愁を誘うやさしさがあります。

Ruth Krauss と Sendak のコンビは、何冊もの作品を世に送り出していますが、Sendak は Ruth Krauss の子ども世界を最大限に描いて見せてくれ、最高のコンビだと思います。


2012.05.15 / Top↑
【My Favorite Sendak】1冊目は、"Very Far Away"。
"Where the Wild Things Are"の原型になっている作品です。

Very Far AwayVery Far Away
(2004/11/09)
Maurice Sendak



Where the Wild Things AreWhere the Wild Things Are
(1988/11/09)
Maurice Sendak


赤ちゃんの世話で忙しいお母さん。訊きたいことがあるのにかまってもらえない Martin は、変装して家出。自分の疑問に答えてくれる人のいる、とおいところ(very far away)へ行こうとします。

町で出会った動物たちも、みんな今の状況に不満。それぞれの理想郷 "very far away" を求めてたどり着いた先は…。

"Where the Wild Things Are" も "Very Far Away" も、瀬田貞二さん言うところの『行きて帰りし物語』です。お母さんに腹を立て、Max は "where the wild things are" へ、Martin は "very far away" へ行ってしまう。そこで経験したことによって怒りを克服し、お母さんのところへ戻ってくる。

"Where the Wild Things Are" では完成度の高いファンタジー世界が描かれますが、"Very Far Away" の方は、現実に密着していてリアリスティックなところが好きです。

"very far away" がどこかといえば、あらなんだ、そこなの?という感じ。それでいてなんだかシュールな味がします。それぞれのユートピアを論じるところは、ちょっと哲学的。物語をとおしてユーモラスで、ちょっぴり切ない。

ラスト、Martinがちょっとお兄ちゃんになっているのがすごく愛おしいんです。

2012.05.11 / Top↑
The New York Times の記事によると、モーリス・センダックの遺作 "My Brother's Book" が来年2月に出版される模様。亡きお兄さん Jack のことを綴った詩と絵からなるようですね。早く読みたいものです。

升水記念市民図書館の「マイ・コレクション…センダック」展に行ったとき、アンケート用紙が配られ、その中に「センダック作品の中で好きなものを三つあげてください。」という質問がありました。

頭に浮かぶのは、あれとこれ。あの本も好き、あれもはずせない。それが入るならこっちも・・・。やっぱり三つに絞るなんてとうてい無理!

どうしてもはずせない本を5冊あげてみました。断腸の思い(!)であえてBest5です。

Very Far AwayVery Far Away
(2004/11/09)
Maurice Sendak



The Sign on Rosie's DoorThe Sign on Rosie's Door
(2002/10/15)
Maurice Sendak



A Hole Is to DigA Hole Is to Dig
(1952/09/03)
Ruth Krauss



Nutshell Library (Caldecott Collection)Nutshell Library (Caldecott Collection)
(1962/10/10)
Maurice Sendak



Higglety Pigglety Pop!: Or There Must Be More to LifeHigglety Pigglety Pop!: Or There Must Be More to Life
(2001/05/03)
Maurice Sendak


センダックさん追悼の思いをこめて、しばらく好きな作品について書きたいと思います。
2012.05.10 / Top↑
一昨日の夜飛び込んできた訃報。5月8日、モーリス・センダック氏が天国へ旅立ちました。83歳。悲しくて悲しくて涙があふれました。

3月に升水記念市民図書館で開催された「マイ・コレクション…センダック」展に、多読友達と行って楽しいひとときを過ごし、大好きなセンダックをますます読みたい、より知りたいと思っていたところでした。

この展示会は、司書でセンダック作品コレクターの有山裕美子さんの個人コレクションの一部が公開されたものです。入手困難な稀少本やポスター、リトグラフもあり、貴重なコレクションを拝見できたのは幸いでした。冨山房の坂本社長、翻訳家のこだまともこさん、有山さんの鼎談も開催され、お三方のセンダックへの思いや出版裏話を伺うこともできました。

その魅力をさまざまな側面から知ることができて、自分の中でますますセンダックの重みが増し、友達とも話が盛り上がっていたところだったのです。

センダックは、子どもの心がわかる人、ではなくて、自身が子どもの心を持ち続けた人だったと思います。センダックの絵本を読むと、自分が忘れかけていた子ども時代がよみがえり、あぁそうだった、私もこの主人公と同じだった、と思うことがしばしばです。

もっともっと新しい作品を描いてほしかった。残念です。だけど、作品は生き続けます。あなたが子どもたちの心に撒いた種は、これからも芽吹き、枝葉を伸ばし、たくさんの実を結ぶことでしょう。

ありがとう、センダックさん。私もずっとあなたの作品を読み続けます。

彼の魂はきっと、The Wild Things のいるところへ行ったんじゃないかな。今頃、犬のジェニーといっしょにかいじゅうおどりを踊っているかなぁ。

R.I.P. Maurice Sendak.

Where the Wild Things AreWhere the Wild Things Are
(1988/11/09)
Maurice Sendak



2012.05.10 / Top↑