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ごぶさたしています。

あ~~広告って、ほんとうっとうしいですねー。
ここらでちょっと重い腰をあげて、ブログ更新しまーす。

素敵な本を読みました。
みんなに読んで読んでー!と勧めたくなる本。


So B. ItSo B. It
(2005/10/04)
Sarah Weeks



41,751語
★★★★★

12歳の少女 Heidi は、母と二人暮らし。
脳に障害のある母が話せるのは、たった23の言葉だけ。
隣に住む外出恐怖症のおばさんに助けてもらいながら、二人は生活している。

父親は名前すらわからない。
それどころか、母の過去も自分の誕生日も、どこで生まれたのかさえもわからない。

"Who am I?"
おかあさんにはどういうヒストリーがあるの?
わたしは誰なの?

そんな葛藤を抱えていたある日、Heidiは家で、真実を探る鍵になるものを見つける。
自分のルーツと、母の言葉の中でたった一つ意味のわからない"soof"の正体を求めて、Heidiは旅に出る。


audibleのナレーターが"Because of Winn-Dixie" の Cherry Jones さんだったので、聞き読みすることにしました。
audible音源はこちら

朗読が素晴らしかったこともあって、最初からぐっと引き込まれました。

主人公の Heidi がとてもいいんだなぁ。
勇気と行動力があって純粋、そしてとても賢い。

性格がストレートなので、こっちもドキドキハラハラ。Heidiと同じ気持ちになり真実を求めて、先へ先へとページを送る手が止まりません。

涙腺決壊ポイントというのがいくつかあるのですけど、最後はもう胸がきゅーんとなって、微笑みとともに涙が溢れてくるんです。

切なさと温かさと優しさがぎゅっと詰まった一冊。



読みながら、この映画版があれば観てみたいなぁと思っていたのですが、作者 Sarah Weeks のブログによると、映画化の話が進んでいる模様。
実現するといいな!



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2013.08.05 / Top↑
実録『アルゴ』。

映画の題材となったCIAの『アルゴ』作戦を立案、指揮、実行した、元CIA局員で偽装工作スペシャリストの Antonio Mendez 本人による手記(共著)です。
おもしろくないはずがない!

KindleとAudibleのWhispersync for Voiceで、読み聴きしました。

Argo: How the CIA and Hollywood Pulled Off the Most Audacious Rescue in HistoryArgo: How the CIA and Hollywood Pulled Off the Most Audacious Rescue in History
(2012/10/25)
Antonio Mendez and Matt Baglio



★★★★★

1979年、イランで発生した在テヘラン・アメリカ大使館人質事件。過激派学生らによる占拠が長期にわたる一方、大使館から脱出し、カナダ大使らの自宅に匿われていた6人のアメリカ人がいた。彼らを救出し、国外脱出させるためにCIAが採った作戦は、"ARGO"。

イラン側に見つかれば、スパイとして捕らえられ、命の保証はない。アメリカ人だというだけで疑いをかけられる情勢の中、どうやって6人を国外脱出させるのか?

Mendezは、過去にさまざまな重要人物の亡命に手を貸した男。KGB幹部やスターリンの娘、イラン・パーレビ元国王政権内部のスパイなどを国外脱出させた経験を持ちます。

Mendez が考えた作戦は、SF映画製作のでっち上げ。6人をイランにロケハンに来たカナダ人スタッフに偽装しようという派手な工作なのです。

6人の偽名と履歴を作り上げ、カナダへ飛んでカナダ側の協力を取り付け、パスポートや運転免許証、クレジットカードなどを偽造。

その一方で、ハリウッドの有名なメイクアップ・アーティスト"Jerome Calloway"(John Chambers の仮名)に協力を求め、製作会社をでっち上げ、ボツ原稿を脚本として用意し、雑誌に広告まで打ちます。

この中盤の過程がすこぶるおもしろい!もしもの事態に備え、相手の疑いを打ち砕くため、絶対にほころびが出ないよう用意周到に下準備を重ねるのです。

CIAがどんな工作をし、ハリウッドまでをも巻き込み、作戦を成功させるにいたったか。荒唐無稽に思える事柄が事実だなんて、その詳細を知ることができるなんて、ある意味どんなスパイ小説よりスリリング!

映画の中で、笑いをとるためのフィクションだろうと思っていた、合言葉のような例のセリフ。ところがどっこい、実際に John Chambers が好んで使った Knock Knock Joke だったと述べられており、その事実には思わずニヤリです。

この本が映画『アルゴ』の原作というわけではなく、映画の公開に合わせて今年の9月に出版されたようですが、映画と真相を比べてみるのも興をそそります。

映画はもちろんフィクションもあって見せるのですが、真相は、それに付随するエピソードなども盛りだくさんで、まさに事実は小説より奇なり、です。

2012.11.06 / Top↑
アメリカでは青春小説のクラシックともなっている"The Outsiders"。長年気になっていたのですが、Hanahou倶楽部のお仲間が、今年読んだ中でベストと言うのを聞いて、読みたくなりました。

The OutsidersThe Outsiders
(2012/01/01)
S. E. Hinton


48423語
★★★★★

Ponyboy は、両親を事故でなくし、貧しいイースト・サイドに兄二人と暮らす14歳。町には、Ponyboy の属するチンピラグループと、ウエスト・サイドに住む金持ちのボンボン集団の対立があった。ある日、相手側の少女たちと知り合ったことがきっかけで、Ponyboy たちは思いがけない事件を引き起こしてしまう。

くぅーーー、かなり心揺さぶられました。
少年たちの痛々しいまでの心の叫びが聞こえてきそうな青春群像劇です。

社会からドロップアウトし、行き場がない彼らの鬱屈や怒り。そのエネルギーの向かった先。起こってしまった事件。そこで気づいたもの。得たものと失ったもの。

物語は残酷で、切なくて、でも美しい。

若さゆえの愚かさ、脆さがが悲劇を生むのだけど、また若さの持つ感受性と純粋さゆえ、相手の痛みや人間の弱さや、家族・友との絆や、さらに、生きる意味にも気づいていく。

一人ひとりの個性と心理描写が丁寧で、主な登場人物にはみな感情移入してしまいました。みんなすごく繊細でいいやつなのに、なぜ世の中はこんなに理不尽なのー?!

最初は、『ウエスト・サイド物語』に似てる?とか、そんなに面白いかな?とか思いながら読んでたんですけど、中盤、グワッシと胸をつかまれるシーンがあり、この後どうなるのー?と思いながら夢中でページをめくることになり・・・。

ラストにはやられました。しばらく、静かな余韻に浸っていました。

作者16歳のときの作品で、初版は1967年なのですが、ティーンの抱える痛みは今でもちっとも変わらないのですね。今の日本の若い人たちにも是非読んでもらいたい作品です。

フランシス・コッポラ監督で映画化もされていますよね。こちらも近いうちに観てみたいと思います。

アウトサイダー [DVD]アウトサイダー [DVD]
(2009/11/20)
C・トーマス・ハウエル、マット・ディロン 他



2012.08.29 / Top↑
ドラマ『Sherlock』の中のキャラクター、どの人も個性的ですが、いい味を出しているのがシャーロックの兄マイクロフト。そのマイクロフト役を好演している Mark Gatiss さんは、ドラマの共同制作者のひとりでもあり、シーズン1第3話、シーズン2第2話の脚本も書いている多才な方です。

BBC公式サイトの写真にどうも見覚えがあると思ったら、手持ちのCDつき絵本"Traction Man is Here"に載っている写真と同じでした。Mark Gatissさん、このCDのナレーターだったのです。

Traction Man is HereTraction Man is Here
(2008/10/02)
Mini Grey



弱きを助け強きを挫くスーパーヒーロー Traction Man!実は、男の子がクリスマスプレゼントにもらったおもちゃのフィギュアなのですが、今日もミッションを帯びて悪と戦い続ける正義の味方なのです!

ボストングローブ・ホーンブック賞受賞のこの絵本、B級のタッチでとてもコミカル。このCDがまた、Traction Man のテーマ曲といい、効果音といい声の演技といい、TVアニメでも見ているかのような、抜群に楽しい音源です!遊び心いっぱいで、作る方も楽しんで作っているのが伝わってくるくらいです。

以前から大好きだったこのCDを朗読しているのがMark Gatissさんだったと知って、うれしくなりました。Traction Man の決まり文句 "All in a day's work" って言ってるのはマイクロフトだなんて妄想してしまって(笑)、何度も聴いています。

Mark Gatissさん朗読のCDはこの他、Traction Man シリーズ続編の"Traction Man Meets Turbodog" や、同じ作者の絵本でケイト・グリーナウェイ賞受賞作の"The Adventures of the Dish and the Spoon" "Biscuit Bear" があり、どれも楽しい朗読です。

Traction Man Meets TurbodogTraction Man Meets Turbodog
(2011/07/01)
Mini Grey



The Adventures of the Dish and the Spoon (Story Book & CD)The Adventures of the Dish and the Spoon (Story Book & CD)
(2009/07/02)
Mini Grey



Biscuit BearBiscuit Bear
(2008/07/03)
Mini Grey


Traction Man シリーズ第3作"Traction Man and the Beach Odyssey"も出ているんですが、CDつき絵本はないようで残念です。Mark Gatissさん、お忙しいのかしら?

2012.08.05 / Top↑
シャーロック・ホームズ・シリーズの第1作目 "A Study in Scarlet" を聞き読みで読了しました。

A Study in ScarletA Study in Scarlet
(2011/09/01)
Arthur Conan Doyle


45577語
★★★★★(ドラマとの比較がおもしろい!)

聞き読みの音源は、Audibleのこちらです。朗読も素晴らしかったです。

ドラマ『Sherlock』のシーズン1第1話のタイトル "A Study in Pink" が、原作の"A Study in Scarlet" のもじりなのは、シャーロキアンでなくともすぐ気がつくところ。どこまで原作を踏襲しているのだろうと思っていました。

原作とドラマのストーリーは全く違いますが、"A Study in Scarlet" だけ見ても、思っていた以上に、原作由来のネタがドラマの中で随所に使われているのがわかりました。

おぉー、ここは全く同じだ!とか、ドラマのあの部分は原作のこのもじりだったのね、とか、また細かい部分でもニヤっとさせられるところがあり、ドラマと比較しながら読むと、最初から最後まで存分に楽しめました!

ちょっとネット検索してみたのですが、ドラマと原作について非常に詳しく解説してあるブログもありまして、世のシャーロキアンの方々ってほんとにすごいですねぇ。第1話だけでも、原作シリーズのいろんな話に元ネタがあるようです。

だけどそういうネタは自分で見つけてこそ楽しいもの。地道に少しずつ、原作を読んでいくことにしましょう。

ひとつだけ、ストーリーのネタばれにはならないのでご紹介します。何ひとつ知りたくない方は、ここから先は読まないでくださいね。
... 続きを読む
2012.08.03 / Top↑
1巻目ではまってしまった Flambards シリーズの第2巻です。
(1巻目"Flambards"のブログ記事はこちら

作者 K. M. Peyton は、この"The Edge of the Cloud"でカーネギー賞を受賞しています。

英語が読みにくいのですよ~。1巻からちょっと難しいなぁと思っていたけど、この巻では見慣れないある種の用語がたんまり出てくるのでイメージしづらかったです。でもこういうストーリーは好き!

The Edge of the Cloud (Oxford Children's Modern Classics)The Edge of the Cloud (Oxford Children's Modern Classics)
(1999/09/09)
K. M. Peyton


★★★★★

舞台はイギリス、第一次世界大戦前夜。主人公 Christina は1巻の終わりで重大な決意をし、2巻ではまた新たな世界の中で生きていきます。しかし、そこには多くの困難が伴うのでした。

時代の最先端をまっすぐ見つめ、新しいことに果敢に挑もうとする若者たち。その熱気の中、過去を顧みず自立の道を探り、愛する人の夢がかなうことを祈りながら、我慢強くついていこうする Christina。だけど、どうしても拭い去ることのできない不安がつきまといます。果たしてその予感は・・・。

1巻では馬を乗りこなし、あれほど颯爽としていた Christina。2巻では、愛する人についていこうと、それはもうけなげです。この巻での Christina はまだ10代。1巻に比べると、その行動や思考は、ごくふつうの女の子に見えます。

だけど実は芯が強く、精神的にはとても大人で、幸せの只中にありながら、運命の先を半ば予見しているかのようなのですね。彼と結婚しても、きっとありきたりの幸せは手に入らない。その運命を、自ら引き受ける覚悟なのです。そのあたりの作者の筆致がとてもうまい!

これ、もし日本が舞台だったら、NHKが朝ドラにするんじゃないか?というくらい、波乱万丈かつヒロインのひたむきさが魅力ある少女小説です。第3巻はいよいよ戦争に突入し、Christina の運命がまた大きく変わるようなのです。3巻も楽しみです!

2012.07.26 / Top↑
ずっと読みたいと思っていた John Hart。ようやく読むことができました。

Down RiverDown River
(2012/05/22)
John Hart



104403語
★★★★

2008年エドガー賞最優秀長編賞受賞作。

5年前、義母の証言により殺人罪で起訴され、裁判で無罪放免となったものの、居場所を失い故郷を去った Adam。幼馴染に乞われて帰郷した彼を待ち受けていたのは、辛い過去と向き合わざるを得ない現実、そして新たな事件だった。

ミステリーであり、家族の物語であり、故郷への思いを綴った物語。

冒頭の「川」の描写に引き込まれました。途中までは静かな展開。故郷のノースカロライナ州に帰ってきた主人公を取り巻く人間関係、新たな事件と交差して、過去の事件、家族間の軋轢などが徐々に明らかにされます。

中盤から一気にストーリーが動き、ラストへ。

自分を裏切った家族と故郷の土地。それでも望郷の思いは強く、切ろうとしても縁を断つことはできない。

家族って、いいときには暖かくやさしいけれど、ときには暴力的に人の心を傷つけ、破壊し、取り返しのつかない歪を生んでしまう。それでも家族は家族であり続け、そこにも絆が存在する。

主人公が、一度は逃げた過去と対峙し、苦しみもがき、どう乗り越えるのか。

ミステリーとしては特に驚くべきものもないのですが、とにかく文章がうまい!風景描写がAdamの心情と重なって、美しく切なく物語を歌い上げます。詩情あふれる文体で物語に陰影を与え、味わい深いものにしています。

おもしろかったし、すごくうまいとは思うけれど、やるせない哀しさを感じさせる小説がやや苦手なこともあって、マイナス1点。

だけどラストに救いがあり、深い余韻を残す小説です。これからも John Hart は読もうと思います。

2012.07.08 / Top↑