FC2ブログ
アメリカでは青春小説のクラシックともなっている"The Outsiders"。長年気になっていたのですが、Hanahou倶楽部のお仲間が、今年読んだ中でベストと言うのを聞いて、読みたくなりました。

The OutsidersThe Outsiders
(2012/01/01)
S. E. Hinton


48423語
★★★★★

Ponyboy は、両親を事故でなくし、貧しいイースト・サイドに兄二人と暮らす14歳。町には、Ponyboy の属するチンピラグループと、ウエスト・サイドに住む金持ちのボンボン集団の対立があった。ある日、相手側の少女たちと知り合ったことがきっかけで、Ponyboy たちは思いがけない事件を引き起こしてしまう。

くぅーーー、かなり心揺さぶられました。
少年たちの痛々しいまでの心の叫びが聞こえてきそうな青春群像劇です。

社会からドロップアウトし、行き場がない彼らの鬱屈や怒り。そのエネルギーの向かった先。起こってしまった事件。そこで気づいたもの。得たものと失ったもの。

物語は残酷で、切なくて、でも美しい。

若さゆえの愚かさ、脆さがが悲劇を生むのだけど、また若さの持つ感受性と純粋さゆえ、相手の痛みや人間の弱さや、家族・友との絆や、さらに、生きる意味にも気づいていく。

一人ひとりの個性と心理描写が丁寧で、主な登場人物にはみな感情移入してしまいました。みんなすごく繊細でいいやつなのに、なぜ世の中はこんなに理不尽なのー?!

最初は、『ウエスト・サイド物語』に似てる?とか、そんなに面白いかな?とか思いながら読んでたんですけど、中盤、グワッシと胸をつかまれるシーンがあり、この後どうなるのー?と思いながら夢中でページをめくることになり・・・。

ラストにはやられました。しばらく、静かな余韻に浸っていました。

作者16歳のときの作品で、初版は1967年なのですが、ティーンの抱える痛みは今でもちっとも変わらないのですね。今の日本の若い人たちにも是非読んでもらいたい作品です。

フランシス・コッポラ監督で映画化もされていますよね。こちらも近いうちに観てみたいと思います。

アウトサイダー [DVD]アウトサイダー [DVD]
(2009/11/20)
C・トーマス・ハウエル、マット・ディロン 他



スポンサーサイト



2012.08.29 / Top↑
昨日は、年に1度のお楽しみ、絵本の会の『Hanahou倶楽部 夏スペシャル』でした。

昨日持って行ったのは、NYTのベストセラーリストで現在絵本部門1位のこちらです。

The Fantastic Flying Books of Mr. Morris LessmoreThe Fantastic Flying Books of Mr. Morris Lessmore
(2012/06/19)
William Joyce


とても素敵なファンタジー。『本の本』でもあります。

主人公Morrisは、言葉を、物語を、本をこよなく愛し、自分の人生のすべてを本に書き綴る毎日を送っていましたが、ある日ハリケーンに吹き飛ばされ、本に綴ってきた言葉、文字も散り散りになって、何もかもを失います。失意の底でMorrisが出会ったのは、空飛ぶ本につかまって空中を散歩する女性でした。

この作品には、今年アカデミー賞を受賞した短編アニメーション映画もあることを知り、観てみたらこれが素晴らしい!!

15分と短いのでYouTubeでも観られるのですが、iTunesで配信されているので、私は製作者に敬意を表して買いました。
http://itunes.apple.com/jp/movie/fantastic-flying-books-mr./id479011164

こちらにはトレーラーを貼っておきます。



セリフは一切なく、音楽とキャラクターの表情がストーリーを豊かに物語ります。CGとミニチュアによる、美しく丁寧な造り。何度観ても、最後のシーンは涙が出ます。

本の作者であり、映画の監督の一人でもある William Joyceは、随分前からこの作品にとりかかっていたのですが、2005年ハリケーン・カトリーナがJoyceの住むルイジアナ州を襲います。避難所を訪れたJoyceは、寄付された本を読む子どもたちに出会い、本の癒しの力を目の当たりにします。そこから、この作品のMorris像が出来上がったそうです。

本への愛に溢れた映画。
人の一生について考えさせられる映画。
人生っていいなぁと思わせてくれる、心に染みる映画です。

絵本と映画、双方で補い合うところがあるので、できれば両方を楽しむのがおススメです。

絵本を読んだあと、映画を観たあとは、wikiに薀蓄があれこれ載っていますので、こちらもどうぞお楽しみに!

2012.08.26 / Top↑
ドラマ『Sherlock』の中のキャラクター、どの人も個性的ですが、いい味を出しているのがシャーロックの兄マイクロフト。そのマイクロフト役を好演している Mark Gatiss さんは、ドラマの共同制作者のひとりでもあり、シーズン1第3話、シーズン2第2話の脚本も書いている多才な方です。

BBC公式サイトの写真にどうも見覚えがあると思ったら、手持ちのCDつき絵本"Traction Man is Here"に載っている写真と同じでした。Mark Gatissさん、このCDのナレーターだったのです。

Traction Man is HereTraction Man is Here
(2008/10/02)
Mini Grey



弱きを助け強きを挫くスーパーヒーロー Traction Man!実は、男の子がクリスマスプレゼントにもらったおもちゃのフィギュアなのですが、今日もミッションを帯びて悪と戦い続ける正義の味方なのです!

ボストングローブ・ホーンブック賞受賞のこの絵本、B級のタッチでとてもコミカル。このCDがまた、Traction Man のテーマ曲といい、効果音といい声の演技といい、TVアニメでも見ているかのような、抜群に楽しい音源です!遊び心いっぱいで、作る方も楽しんで作っているのが伝わってくるくらいです。

以前から大好きだったこのCDを朗読しているのがMark Gatissさんだったと知って、うれしくなりました。Traction Man の決まり文句 "All in a day's work" って言ってるのはマイクロフトだなんて妄想してしまって(笑)、何度も聴いています。

Mark Gatissさん朗読のCDはこの他、Traction Man シリーズ続編の"Traction Man Meets Turbodog" や、同じ作者の絵本でケイト・グリーナウェイ賞受賞作の"The Adventures of the Dish and the Spoon" "Biscuit Bear" があり、どれも楽しい朗読です。

Traction Man Meets TurbodogTraction Man Meets Turbodog
(2011/07/01)
Mini Grey



The Adventures of the Dish and the Spoon (Story Book & CD)The Adventures of the Dish and the Spoon (Story Book & CD)
(2009/07/02)
Mini Grey



Biscuit BearBiscuit Bear
(2008/07/03)
Mini Grey


Traction Man シリーズ第3作"Traction Man and the Beach Odyssey"も出ているんですが、CDつき絵本はないようで残念です。Mark Gatissさん、お忙しいのかしら?

2012.08.05 / Top↑
シャーロック・ホームズ・シリーズの第1作目 "A Study in Scarlet" を聞き読みで読了しました。

A Study in ScarletA Study in Scarlet
(2011/09/01)
Arthur Conan Doyle


45577語
★★★★★(ドラマとの比較がおもしろい!)

聞き読みの音源は、Audibleのこちらです。朗読も素晴らしかったです。

ドラマ『Sherlock』のシーズン1第1話のタイトル "A Study in Pink" が、原作の"A Study in Scarlet" のもじりなのは、シャーロキアンでなくともすぐ気がつくところ。どこまで原作を踏襲しているのだろうと思っていました。

原作とドラマのストーリーは全く違いますが、"A Study in Scarlet" だけ見ても、思っていた以上に、原作由来のネタがドラマの中で随所に使われているのがわかりました。

おぉー、ここは全く同じだ!とか、ドラマのあの部分は原作のこのもじりだったのね、とか、また細かい部分でもニヤっとさせられるところがあり、ドラマと比較しながら読むと、最初から最後まで存分に楽しめました!

ちょっとネット検索してみたのですが、ドラマと原作について非常に詳しく解説してあるブログもありまして、世のシャーロキアンの方々ってほんとにすごいですねぇ。第1話だけでも、原作シリーズのいろんな話に元ネタがあるようです。

だけどそういうネタは自分で見つけてこそ楽しいもの。地道に少しずつ、原作を読んでいくことにしましょう。

ひとつだけ、ストーリーのネタばれにはならないのでご紹介します。何ひとつ知りたくない方は、ここから先は読まないでくださいね。
... 続きを読む
2012.08.03 / Top↑